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着物 「並木路」
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沖
縄県を代表する織物のひとつである八重山上布は、石垣島を中心に古くから伝わる上質の苧麻を使用した絣織物です。この八重山上布の括り染め技法を復元し、
県の無形文化財を保持する新垣幸子さ
んの作品展「~南風(はえ)のしらべ~八重山上布 新垣幸子 展」を開催致します。
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八重山上布は、石垣島の苧麻(チョマ)の糸と植物染料を使って織り上げた白地の涼やかな茶絣の紅露染(クール)に代表されてきました。かつては「赤縞上
布」とも呼ばれ、島の
女性たちが昔から織り続けてきたものです。ことに伝統の括り染めで「地括り式」という、熟練した手と細やかな配慮が要求される非常に根気のいる作業がとも
な
います。
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苧麻の糸
糸績み |
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「赤縞上布」と呼ばれる
捺染の八重山上布 中村澄子作 |
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この伝統の地括り式によって染
め、織り上げられた絣には独持の味わいがあります。新垣さんは白地にとどまらず、王朝時代に作られていた黄色地(福木)、
桃色地(紅花)、青色地(琉球藍)などさまざまな色絣の復元にも取り組み、沖展などに出品、数々の奨励賞を受賞するなど高い評価を得ています。 |
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植物染料
紅露(クール)・梔子の実・柘榴の実・イタジイの皮・アンナットの実・福木の皮
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「地括り式」で、緯糸の絣
括りをした糸
この後、染色を行う。 |
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新垣さんは、石垣島に育まれた
植物染料を生かし、括り染めの伝統技法を用いて見事に「八重山上布」を復元させました。さらに新垣さんは、その「八重山上
布」に新しい独自の感性を息づかせました。古来から変わることなく降り注ぐ琉球の息吹。今回出品される作品は、伝統に育まれた手仕事に、新垣氏の感性を作
品に投影し、新たな八重山上布の世界を作り上げられています。
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着尺「清流のほとり」(絽織)
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地括り式の八重山上布ー九寸・グレー地「奴子十字」 新垣幸子作 |
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この展示会では、新垣氏の集大成
とも言える作品。様々な色、組織、表現を用いて織り上げた作品の数々をご覧いただけます。 |
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展示内
容 |
着物 10余点
着尺 20余点
帯地 70余点
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参
考出品 |
琉
装仕立て 「紅花染・藍絣グジリ格子」
日本民藝館収蔵の復元などの裂地 10点
新垣氏制作・裂地による掛け軸 6点
糸―(元苧・苧麻手績み糸・ラミー糸)・
(染糸5種) 染料5種
デザイン画 5枚
制作工程パネル 24枚
「琉球の織物」(柳宋悦著)
倉木絵師の画稿 他 |
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