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毎年、東京国立近代美術館・工芸館 に収蔵されている染織作品の修復を行っております。
国の大切な染織文化の継承の一つとして、収蔵されている作品が、経年の傷みなどが
発生した場合、現状修復を行います。次の世代へと確かな仕事受け継がれていく為に、
継続して行っていきます。

以下に問題箇所の指摘と、修復の際気をつけた事に関する例を示します。
例を示し解説します。
いくつか ご紹介いたします。







結城紬地・型絵染着物「竹林」   稲垣稔次郎作

   ・     全体に経年による退色が見られます。カビの発生、地糊による変色が生地全体に出ています。
     また、金箔も剥がれかけているので、修復しなくてはなりません。

   ・ 以上の状況を良く判断し、結城紬を白のまま使用している為、地糊による変色を修復しつつ、
     模様の色も現状のまま維持しなくてはなりません。生地も弱ってきている為、細心の注意を払って修復していきます。









印金朧型着物「瑲」   鎌倉芳太郎作

   ・     着物全体にカビによる変色、特に金箔の辺りにひどく症状が見られます。
     また、経年による退色と地糊の硬化がすすんでいます。

   ・    以上の状況を良く判断し、朧型の作品と言う事もあり、細かな作業と時間を掛けて一つ、一つ修復していきます。








一越縮緬地・友禅・黒留袖「雲文」   中村勝馬作

   ・ 経年による地色の「黒」 の変色がひどく、生地が相当弱っています。
     また、カビの発生、刺繍部分では、生地が風化してしまっています。

   ・ この作品に関しては、現状修復するには、生地の補修をしつつ、地色の「黒」を調整しつつ、
     模様に入らない様、また、刺繍の風化した部分は、難しい作業で、細心の注意が必要です。








 紬織着物「鈴虫」   志村ふくみ作

   ・     全体に経年による退色が見られます。また、カビによる変色が進んでいます。

   ・ 全体の色の調整をしつつ、カビによる変色の修復を一つ、一つ行います。




修復を担当 させていただきました主な作品のご紹介です。


結城紬地・型絵染着物「竹林」
稲垣稔次郎作

印金朧型着物「瑲」
鎌倉芳太郎作

越縮緬地・友禅・黒留袖 「雲文」
中村勝馬作

紬織着物 「鈴虫」
志村ふくみ作

信州紬地・型絵染着物 「風」
稲垣稔次郎作


紬地・型絵染摺箔着物 「野草の図」
稲垣稔次郎作


型絵染着物  「秋草文」
稲垣稔次郎作


紅型  「松雲霞文衣」
鎌倉芳太郎作


印金紅型長着 「秋草文」
鎌倉芳太郎作


紅型夏長着 「線条文」
鎌倉芳太郎作


麻地紅型帷子  「流水紅葉文」
鎌倉芳太郎作


紅型麻地夏長着 「竹文」
鎌倉芳太郎作


紬織着物 「七夕」
志村ふくみ作


紬織着物 「蘇芳染・たて縞」
志村ふくみ作





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