染料
顔料
「能」の演目の「融(トオル)」に因んで制作。
「融」・・・東国から京へ上った諸国一見の旅僧が六条河原の院を訪れ有り、休んでいると、そこへ田子を担った老人がやって来ます。僧は、ここは海辺でもな
いのに汐汲み姿をしているのはどうしてかと尋ねます。すると老人は、ここは塩釜の浦を写した海辺だと答え、その昔に左大臣源融が塩釜の浦を模して造園し、
毎日難波の浦から海水を運ばせて、塩を焼かせるという風流を楽しんだが、今はすっかり荒れ果てていると語ります。そして京の山々の名所を指し示しながら教
えると、そろそろ汐を汲む頃合いだと見て消え失せます。