足立 紀美子

あだち きみこ

足立氏は現在も東京にある女子美術大学で染織を教えられている。
生徒や卒業生から慕われる存在で常に笑顔の印象がある。
作風は「和装」と言った枠を超え、美しいと感じたものを絣と様々な組織を併用し表現したいものに合う糸を自在に操られ独自の世界観を作られている。
伺う度に新しい発想があり手作りの料理を振る舞って下さって様々な話題の中から、また新しい作品が生まれて来るのだと思っている。


略歴


1954年 東京に生まれる
1976年 女子美術大学工芸科卒国展初入選
1985年 アメリカ ニュージャジー州
     Summit Art Center展 1’st Prize
1992年 国画会会友
1993年 女子美術大学工芸科 講師
1994年 埼玉県展県教育委員長賞 受賞
     埼玉県立近代美術館にて個展
1998年 養蚕協会笹繭コンペ 大賞 受賞
     埼玉県知事賞 受賞
1999年 埼玉県美術家協会賞 受賞
2000年 埼玉県展高田誠記念賞 受賞
2003年 埼玉県立近代美術館にて個展
2010年  作品集「足立紀美子の染織」を出版
2024年  国画会を退会

グループ展・個展 多数  

九寸・模紗織
「青海湖」

「シルクロード」のコンセプトで制作。
女神が住むと言う神秘のブルー。
経緯共に極細のパイナップル糸を用い、絣と模紗織を併用して透明感を出している。


九寸・六枚吉野織
「春格子」
染料:コチニール・黄金花・臭木・茜

「日本の四季」のコンセプトで制作。
雨上がりの一瞬に輝く春の日差し。
六枚吉野織の技法で組織の部分を各々三色に絣で染分けて、春の草花が雨上がりの日差しに輝いている様を表現。



八寸・麻地・麻紙布・模紗織
「さざ波」

「日本の四季」のコンセプトで制作。
夏の強い日差しを受けてキラキラと輝く波がしら。
麻地で模紗織部分に麻和紙を用い銀糸も併用する事により、さざ波が陽に輝く様を表現。


角帯・麻地・麻紙布・模紗織
「森の精」

「日本の四季」のコンセプトで制作。
人が踏み入った事がない深い森の奥には、木々が語り合うかの様に健やかに森を育んでいる。
そんな森の精をイメージして。