求龍堂の紹介文
「志村の色」の根源。
草花に色があるように、いにしえ人への想い、
世界の子どもたちの笑顔、人類の罪科。
すべてに闇と光 ― 色がある。
大石芳野だけが写しえた「しむらのいろ」の魂。
染織界の第一人者、志村ふくみ。母と同じ道を歩く志村洋子。ふたりの「色」をテーマにした作品集。
撮影は、戦禍の人々の表情を生き生きと捉えるドキュメンタリー写真家、大石芳野。
京都・嵯峨嵐山の風景のなかで、志村ふくみ・洋子氏の新作の着物中心に撮り下ろした写真が着物の生命
を浮かびあがらせる。
文はふくみ・洋子の色彩に対する根源的な体験を書き下し、志村芸術の色彩感覚の源泉がわかる作品集。
本文より
【白】
古代の人は白い布を白に染めた。貝殻、骨粉などで染めたらしい。そしてオゾンで漂白した。
雪中の白鷺、白魔術、白夜。
(志村ふくみ)
【赤】
深い藍色をたたえた湖の源は、地球の中のどこにあるのだろう。創世以来、安らいでいた湖の源はとうとう
抑えることのできない苦しさから、紅い紅い涙を流し始めた。その涙は水源から噴き出し、藍色の水面を紅
の涙で染めた。藍と紅は湖面にいくつもの影を作っていった。それを岸から見ると紫の蜃気楼のようだった。
(志村洋子)
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志村ふくみ・志村洋子両氏のサイン入りとさせて頂きます。